<過去1年データ>
「5、10、30年債の利回り推移」
2023年まで政策金利を引き上げないとFRBが言明する中で、10年以上の長期債の利回り動向が注目されています。5年より手前はFRBの低金利政策から実質的に動かない状態になっています。
「各年限利回り差」
一般的に長期と短期の金利差が大きい時は金融緩和が効いており、将来のインフレ率上昇・景気拡大が期待されます。一方で長期と短期の金利差がない時は金融引き締めが効いており、将来のインフレ率低下・景気低迷が懸念されます。
また長期・短期金利差がない時は機関投資家の運用難が助長されやすいということもあります。
「ブレークイーブンインフレ率」
固定利付債の利回りから物価連動債利回りを差し引いた数値で、数値が高いほど物価上昇期待が高く、数値が低いほど物価下落懸念が高いことを意味しています。
<長期間データ>
「5、10、30年債の利回り推移」
1980年以降は潜在成長率の低下やグローバルな物資供給体制などが整っていったことからインフレ率が抑制される傾向にあり、米国債の利回りを見ても一貫して低下が続いてきました。
「各年限利回り差」
一般的に金融緩和時・景気底打ちから回復時には短期金利は抑制される一方で長期金利が将来のインフレ率上昇を予期して上昇することによって、イールドカーブがスティープ化していきます。逆に金融引き締め時には短期金利が政策金利の引き上げによって上昇すると同時に、将来の景気低迷によるインフレ抑制が予期されることによって長期金利が下落することによってイールドカーブがフラット化していきます。
利回り差がない時は、特に近い将来の景気低迷が懸念され、リスク資産にとってはネガティブと見られています。
「ブレークイーブンインフレ率」
リーマンショック前は2.5-3%が平常値でしたが、やや潜在成長率が起きてきた昨今では1.5-2.5%の間が平常値となってきています。
<おまけ>
「米国債実質金利推移」
・長期金利過去3年推移
・長期金利長期間推移
・年限別債券利回り-インフレ率推移
「FRBシャドーレート」
QEの緩和効果を織り込んだ実効シャドーレート。
政策金利をゼロとし、量的金融緩和の拡大を実施している時に参考としておきたい。
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