米国において住宅は最も経済においてウェイトを占めているもので、景気を測る上で重要なバロメーターになっています。
単に米国民の懐事情だけでなく、通常は住宅ローンを借りて購入することから金融環境を測る上でも重要指標で、金融引き締めと住宅指標の下落が見られている場合には何かしら危険な予兆を示していると言われています。
主に見るべき指標として新規住宅着工件数・中古住宅販売件数・建設許可件数・ケースシラー住宅価格指数、モーゲージ金利の5つが挙げられます。
各指標の特性についてはページ下部に記載しております。
<新規住宅着工件数(千件)>
<中古住宅販売>
<住宅建設許可件数(千件)>
<ケースシラー住宅価格指数(前年比、%)>
<モーゲージ金利(15年・30年、%、過去3年)>
長期グラフはこちら
「各指標の特性について」
<新規住宅着工件数(千件)>
米国では新築よりも中古住宅取引の方が市場としては大きく、新築だけでなく中古住宅販売も併せて統計を読み込む必要性があります。
<中古住宅販売>
米国の中古住宅市場は新築よりも5-6倍は大きく、世界の中でもトップクラスに活発に取引されており、ネットでのデータベース管理も非常に発達しています。
なので、米国の住宅市場を見る上ではまず中古販売状況を見てから新築や価格動向を併せて分析していくのが効率的です。
<住宅建設許可件数(千件)>
建設許可件数は新規住宅販売に1-2ヵ月先行している指標と言われています。
また新規着工件数は天候の影響を受けて、悪天候が続いた月において予想外に市場予想を下回ることがありますが、建設許可は天候の影響を受けないため、こちらの方が新築住宅着工よりも指標としての信頼性が高いと言われています。
<ケースシラー住宅価格指数(前年比、%)>
米国は非常に広いため、ケースシラー住宅価格指数はあくまで方向性の目安ぐらいのイメージ感を持ってみた方が良い。
本当に細かく見るなら州別で住宅価格指数が発表されているため、州別の上昇率を見て全体像を掴む必要性があります。
その他住宅指標を見る上では長期モーゲージ金利の推移も確認しておくとよいかもしれません。