米国のMMF残高推移を掲載しています。FRBでは1週間毎にデータを公表していますので、毎週データ更新しています。過去3年分と長期のデータの2種類を掲載しています。
「MMF残高推移(過去3年分)」
「MMF残高推移前年比(%、過去3年分)」
「MMF残高推移(長期)」
「MMF残高推移前年比(%、長期)」
「指標の見方について」
金融緩和時には一般的に低金利によってMMFがより高い利回りやリターンを求めて別資産に移ることからMMF残高は減少する傾向になり、相場は下がりづらい傾向となります。一方で金融引き締め時にはリスク資産から安全資産へ資金を移動させるため、MMF残高は増加傾向で推移し、金利の上昇が行き過ぎたり、バブルが崩壊した時に大幅な相場下落が起こることが想定されます。また長期データを見ると2000年前後までは個人と機関のMMF残高は同程度の金額で推移してきたものの、労働分配率の低下に伴い個人よりも機関に資金が集中するようになり始め、その傾向はFRBが量的金融緩和を開始するようになってからより加速している傾向にあります。
「過去の推移」
・2002年~2005年
ITバブルの崩壊によりFRBが金融緩和を開始し、利下げを進めた。それにより高いリターンを求めてMMF残高から資金が流出し、ハイイールド債や株式へ資金が流れる結果となった。またこれが後の不動産バブル・サブプライムバブルにつながっていった。
・2005~2009年
FRBが金融引き締めを開始するとともにMMF残高が増加傾向で推移。リーマンショックで景気崩壊するまでこの傾向はFRBの政策金利引き上げとともに続いた。
・2009年~2017年
リーマンショックに加えてギリシャショックも起こり、長いFRBの量的金融緩和の時代が継続。2017年にようやく雇用の正常化に達したことから量的金融緩和の拡大を停止するまでMMF残高は低い水準での推移となった。
・2017~2020年
トランプ政権による中国経済への制裁によって経済にやや不安定感は見られたものの、トランプ政権による減税政策とFRBの利上げ開始によりMMF残高は増加傾向に転じた。この流れはコロナウィルスによって急激な経済環境の変化が起こるまで続いた。