・米国社債市場動向(長期間)

2000年からの長期間データになります。
日次だとすごく見づらくなったので週データになります。
過去20年ではITバブル崩壊(2001年)、リーマンショック(2009年)、ギリシャショック(2011年)、人民元ショック(2015年)、コロナ暴落(2020年)の5時点で大きなスプレッドワイド化が見られました。
グラフは凡例をクリックして表示する項目を変えられるのと、カーソルでPCでもスマホでも任意の期間に表示が変更できますので試してみてください。

<投資適格>

<ハイイールド>

「過去の社債に起きた大変動について」

・ITバブル、エンロンショック
2001年に発生したショックで、LBOブームで大量に借入金を抱えた企業が潰れることによって信用不安が発生しました。
特にエンロンではMMFの元本割れを発生させたこともあり、大きな問題となりました。

・リーマンショック
2009年に発生した金融ショック。
リーマンブラザーズというA格を保有していた金融機関が潰れた他、多くの投資適格格付けを保有していた金融機関も危ないのではないかと見られたことから信用不安が増大しました。
特に実質的に元本が保証されていると見られていたMMFが元本割れしたり、米国の住宅金融に絡んだジニーメイ・ファニーメイも窮地に立たされたことから社債市場の動きの中では最も苛烈を極めました。

・ギリシャショック
2011年にEU参加国のギリシャが財政の粉飾決算を行っていたということから借入金が返済できないという事態に陥った事件。
ギリシャだけでなく、イタリア・スペイン・ポルトガルなど複数の財政が脆弱な南欧諸国の国債利回りが急騰するなど、単一通貨同盟の弱点が露呈した金融事変となりました。
結局はECBや余裕のある各国政府が資金を融通するなどして、当面の問題先送りをすることによってうやむやにしました。

・人民元・AT1ショック
2015-2016年にかけて中国が人民元を切り下げたことから中国景気が不安定化するのではないかという懸念と、ドイツ銀行がAT1という劣後債の利払いを停止するのではないかという懸念が合わさって発生した。
金融引き締めを進めていたFRBが一旦引き締めを延期したことで時間を稼ぎ、その後の景気回復によって短期間でなかったことになりました。

・コロナウィルスショック
2020年にコロナウィルスの発生によって世界的に多くの企業の活動が停止したことを背景に起こった信用不安になります。
世界的に各国政府・中央銀行が新規貸し付けについて様々な保証や支援策を付与したことから短期間で破壊的な信用不安は収まりました。