メガ債券ETF空売り動向

空売りやオプション売買でもっとも取引が行われているHYG・LQD・TLTの債券ETFのショートの状況を確認するため、空売り口数動向とオプション売買動向を掲載しています。その他AGGやBNDなどの代表的な債券ETFがありますが、そちらはオプション売買がさほど活発ではないので省略しています。

<空売り口数動向>

・1週間平均

・1ヵ月平均

 

<オプション売買動向>

 

・1週間平均

・1ヵ月平均

「各指標の見方」

<空売り動向>

FINRAが集計している空売り口数を集計。クレジット債券はリスクオフイベント時に空売りをすることが難しいため、クレジットETFを空売りすることによって代替となる取引を行うプレイヤーがメインです。そのため、リスクオフ時には一気に債券ETFの空売り口数が増加する傾向にあります。一方で平時であればジャンクボンドETFであるHYGはともかく投資適格債券ETFであるLQDの空売り口数はそこまで増加しません。また相場が戻りつつある時に空売り口数が未だ多いときは、多くの市場で空売りが溜まっていることを意味しており、逆に相場上昇のエネルギーとも見ることができます。

 

<オプション売買動向>

一般的に債券ETFはヘッジ目的でプットオプションを買うのが取引の8-9割を占める。これは債券が構造的にリターンが限定されており、コールを買うインセンティブが非常に低い一方で、特にクレジットものは株のように簡単に空売りをすることができないため、債券ETFのプットオプションを購入することによってヘッジをする取引動機が強い。HYGは常にヘッジ需要によるオプション売買があるものの、LQDについては平時はさほど取引がなく、リスクオフ時に急速に売買が増加する傾向があります。またLQDはひと昔前はさほどオプション売買は活用されていませんでしたが、機関投資家が運用難の中LQDの売買を拡大させており、このヘッジのために活用するケースが増えています。オプション売買動向も空売り口数と同様にプットオプション売買が多いうちに相場が戻り始めた時には、多くの市場で空売りが溜まっていることを意味しており、逆に相場上昇のエネルギーとも見ることができます。